欧米のチャンピオン・システムと日本の思想

オリンピックの金メダリストにせよ、西洋スポーツのチャンピオン…各競技の覇者は一人。
ナンバー・ワンであり、オンリー・ワンであると云うのが欧米のシステム…考え方です。

しかし、日本の国技だと言われる相撲の横綱は、どうでしょう?横綱は東西に二人揃うのが自然、一人横綱ではバランスを欠いて不自然、均衡を保てない…と云う思想が根底にあります。

それこそ〝両雄並び立たず〟ではなく、両雄が並び立ってこそ、初めて陰陽が相整い、宇宙(世界)の安定が、もたらされる…と、考える訳です。ですから、土俵上の勝負を裁く行司の軍配には日月が描かれ、天下泰平と記されてあります。

合気道に限らず、武道には段位と云うものが存在しますが、西洋スポーツのランキングより、相撲の番付に近い概念です。

但し、相撲で毎場所、優勝争いが注目される様に、柔道や空手にはチャンピオン・シップが存在しますから、多くの武道、格闘技は評価基準が複数存在し、各々の価値観の捉え方も様々だと言えます。

其の点、合気道の場合は試合がありませんので、段位の他に技量の評価基準がなく、段位の重味は他武道より大きいかも知れません。

そして、各道場に段位取得の制限があるわけではないので『あの道場には四段~五段が何人もいる!』なんて高い評価を受けることにもなるのです。

段位に執着する必要もありませんし、殊更に、こだわらなくてもかまいませんが、大切な修行と云う旅の道しるべですから、自分自身の楽しみとして捉え、励みにして下さい。

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